子育てなどを終えた女性向けの医療の仕事として人気があるのが、「医療事務」である。病院は日本全国津々浦々にあるため、よほど条件を厳しくしない限りは、必ずどこかの病院の医療事務に就くことができる点に加え、昨今は福利厚生の拡充によって環境が整備されてきているため、女性にとって非常に働きやすい仕事である。

しかし、初心者でも働きやすい職種かと言われると、必ずしもそうでない点には注意しておかなければならない。医療事務の仕事は主に、「受付」「治療費会計」「カルテの管理」「レセプトの作成」の四つが主な内容となる。

前者二つについては初心者でも十分対応可能だが、カルテの管理を円滑に行うに当たっては各病院の方式に慣れる必要がある。また、国への治療費を請求するために作成されるレセプトはある程度専門的な知識も必要になってくるため、医療法制に関する知識が完全にゼロの状態で仕事を行うことは大変難しい。医療事務の仕事に就く際に特別な資格は必要無いが、一方で経験がものを言う仕事だと言える。経験が全く無い初心者であれば、通信教育や職業訓練などを受けて最低限の知識を揃えておくことが重要であろう。

他方、医療事務初心者が働くにおいて十分配慮している病院もある。例えば最初レセプトの作成を行わせず、カルテ管理で経験を積ませるといった簡単な教育プログラムを導入している場合などがある。知識はあるが経験が足りていない初心者が医療事務の仕事に就く際、そのことに十分配慮してくれる病院を探すように心がけると良いだろう。